« 2018年6月 | トップページ

2018年7月10日 (火)

構造物の進化と保存

2018051110430001 帆船は、1本マストの小型船(北方では方形の横帆・南方では三角形の縦帆のタイプ)から進化してきました。
船が大型化するに伴い、マストの本数が増え、高さも伸びていきました。
そして南と北の帆の形(ラティンとコグ)が組合されてくるのです。
コロンブスのサンタマリア号は、前3本のマストに4枚の横帆を、後ろのマストにラティンを持ったナオ型という進化途中の姿をしていました。

帆船は進化を続け、マストとマストの間にも三角帆を着けることが可能になりました。

ついに19世紀、すべてのマストに横帆と縦帆を備えた「全装帆船」が出現します。
英語では、これをフルリグドシップと言います。
シップという言葉は、今日では船全般の意味で使われています。
英国グリニッジに永久保存されている有名な帆船「カティーサーク」がこのシップ型で、船名はウイスキーの名前にもなっています。
シップ型へと帆船の進化が到達したころ、ヨーロッパで産業革命が始まります。やがて汽船が誕生すると、帆船は海の主役の座を譲ることになるのです。
ここで重要なことが二つあります。ひとつは、それでも(産業革命以降)今日に至るまで「帆船」は亡びていません。
もうひとつは、もっと早く産業革命が興っていたら、帆船の進化は途中で止まり、フルリグドと呼ばれる型式の頂点には達していなかった、というタイミングの問題です。
進化が完成したからこそ、究極的に美しく、それ故に生き延びていく帆船。
画像は、天王洲アイルから見える保存帆船「雲鷹丸」。越中島にも(海の日の由来にもなっている)保存帆船「明治丸」があります。   
運が良ければ、クルーズ中に「日本丸」・「海洋丸」と出会えることもあります。
「人間が作ったあらゆる構造物の中でもっとも美しいもの、それは帆船である」
by(10隻の帆船と関わってきた)ーO

| | コメント (0)

« 2018年6月 | トップページ